2012/09/16にMOVIX仙台にて、9/15から封切られた映画「天地明察」を観ました。
映画の内容の話の前に、まずは映画館施設、特に売店の話をします。
今回、20時40分からのレイトショーを観るに当たり、その10分前に売店に行ったのですが、行列がすごい。
お客さんが多いのもあるんですが、どうも店員が捌ききれてないように見えました。
そもそも注文を受けたスタッフ自身が商品を単独で準備するためにレジを離れるというのが不思議でならない。
そしてレジを離れている間、その後ろは完全に待ちになる。これでは行列が溜まって当然。
マクドナルドのように分業制や、注文を受けたら次の客の注文を続けて受ける仕組みをどうしてつくらないのだろう。
繁忙期は特定の時間帯に集中するから、そこまでしなくて良いと思ってるのだろうか?
これでは「映画館への外部からの飲食物の持ち込みは禁止」なんて言われても納得し難いですね。
では映画の内容の話。
原作は読んでませんが、話の中身はわかりやすく非常に楽しめました。
算術、天文、碁など理系が好みそうなテーマがちりばめられていますが、この映画はプロジェクトマネージャーとして働いているひとこそ観るべきだと思います。
新規プロジェクト発足、机上計算に基づく仮説、実測による検証、致命的バグによるプロジェクト消滅、ステークスホルダーとの交渉…などやってることは現代と変わりません。
主人公はいきなりプロジェクトマネージャーを任されて困惑しつつも、プロジェクトチームの協力のもと順調にプロジェクトを進めていきます。
そして綿密な検証を行った上で、いざ生産物をリリースしたところ、バグを踏んでしまいます。
バグの根本原因は「世の中に広く知れ渡っている説のうち、どれかは正しいという先入観」です。
ある問題に対するアプローチが3つあって、そのうち2つに誤りが見つかれば、残り1つは正しい解決策だという決めつけです。
現代のプロジェクトでも起こり得ますね、気をつけたいものです。
そして上記のバグが致命的で、かつリリース前に「当プロジェクトのソリューションは完璧である」と世間に大々的にプレスリリースしちゃったものだから、大変なことになります。
プロジェクトチームは解散し、プロジェクトマネージャーは面目丸つぶれのスポンサーにお詫び行脚、汚名返上のために再度プロジェクトを立ち上げたところ、今度は命を賭けろ、失敗したら腹を切れと言われてしまいます。
日本全国に影響する社会インフラのプロジェクトマネージャーになると、こんなプレッシャーがかかるんですね。
登場人物はみんな和服着て時代劇っぽい口調で会話してますが、内容や交渉の仕方は現代といっしょです。
…現代風の言い回しになってしまいましたが、映画のなかで気になった点を2点ほど。
・北極出地が終わるのが唐突です。主人公が突然塾に現れたとき、「もしや亡霊では?」と思ってしまいました。
・最後の一文、美談ではありますが、不要だと思います。本作は主要人物が途中で亡くなります。主人公も命を落とす寸前までいきますが、最後まで生き残ります。物語の最後まで生き残った者たちの末路を語るなんて、野暮だと思いませんか?
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